COLUMN

コーキングなのか?シーリングなのか?さらに理解が深まるメンテナンス方法

2018.11.02

補修方法

外壁のコーキングの劣化や汚れが目立つようになったので、メンテナンスを検討し始めると、専門用語に戸惑ったことってないですか。

そもそも、

「シーリング」 なのか?
「コーキング」 なのか?

疑問に持たれたことはないですか。

 

「シーリング」と「コーキング」は厳密にいうと異なるものですが、外壁塗装においてはどちらの意味合いも同じとして扱っています。
また業者によって、職人さんによって、それぞれの言い方の違いがあり、「コーキング」という人もいれば、「シーリング」という人、また「シール工事」という人もいて、統一されていないことが原因と思われます。

一般的に聞き慣れない言葉が多い住宅・建築の専門用語。
リフォームを検討し始めたとき、飛び交う専門用語にわからないことが多いのではないでしょうか。

あとで後悔しないためにも、何でも業者任せにするのではなく知っておくことが大切ですね。

今回のコラムでは、
外壁の目地部分や窓枠の隙間に目地材を充填し気密性や防水性を確保する「シーリング工事」
について、メンテナンス前に知っておきたいことをお伝えしたいと思います。


①“増し打ち”と”打ち替え”の違いと使い分け

“増し打ち”と”打ち替え”

シーリングの補修方法は、“増し打ち”と“打ち替え”の2種類があります。
まずは、その違いをご説明しましょう。

●増し打ち
→古いシーリングの上から、新しいシーリング材を注入する方法。

●打ち替え
→古いシーリングを取り除き、新しいシーリング材を注入する方法。

 

つまり、「古くなったシーリング材を取り除く」か、「そのまま施工するか」の違いです。
コスト的に言いますと、既存のシーリング材を取り除く手間がかかりますので、「増し打ち」よりも「打ち替え」の方が多少アップします。

ということは、

・既存のシーリングを取り除く“打ち替え”の方が、時間も手間もかかり、より丁寧な作業なのではないか。
・“増し打ち”は、手抜き工事なのではないだろうか

という疑問をお持ちになるかもしれませんね。
実は、一概にどちらの補修方法が良いというわけではありません。

外壁の目地、サッシまわりなどの場所によって、適した方法は異なります。
シーリングの傷み具合によっても判断は変わってきます。
さまざまな条件を加味し、プロの目で最適な方法を選んでいるとお考えください。

しかし、良くない例としては、
「打ち替えが必要な場合でも増し打ちで済ますことでコストダウンを図り、見積りを安く見せる業者がいる」
ので、注意が必要です。

あまりにも安すぎる見積りの場合は、内容をご確認されると良いと思います。


②シーリング工事の施工手順(打ち替え)

“増し打ち”と”打ち替え”

実際の「シーリング工事(コーキング工事)」の施工手順を知っておくと、より理解が深まりやすいので、今回は「打ち替え」の場合で、ご紹介させていただきます。

1.まずはカッターなどを使って、古い劣化したシーリング材を丁寧に取り除きます。

2.下塗り材であるプライマーを塗布します。密着性を高める接着剤の役割を果たしてくれます。
塗りムラ、カスレがないようしっかり塗るのがポイントです。

3.新しいシーリング材をたっぷりと注入します。
多めにシーリング材を注入しておくことによって、次回のメンテナンスまでの持ちが良くなります。充分なシーリングの厚みを確保することが重要なのです。

4.ヘラで余分なシーリング材を撤去し、ならしていきます。

5.養生テープを撤去し、シーリングの完成です。美しい仕上がりですね。

「シーリング工事」は、ひび割れや雨漏りなど建物に不具合を発生させる可能性がある部位なので、施工箇所の状況に合わせて、現場に適したシーリング材を選び、きめの細かい作業を確実に行っていくことが重要ポイントとなります。


③シーリングの先打ち、後打ちのメリットとデメリット

“増し打ち”と”打ち替え”

簡単に言いますと、シーリング工事を外壁塗装前にする「先打ち」と、後に行う「後打ち」があります。

「先打ち」 → シーリング工事を先にしてから外壁塗装をするため、シーリング材にも塗装を行う。

「後打ち」 → 外壁塗装してからシーリング工事をするため、シーリング材には塗装を行わない。

それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご紹介しておきます。

 

先打ち

【メリット】
シーリングの上に塗装することによって、雨風や紫外線が直接当たりません。比較的劣化もしにくくなります。

【デメリット】
柔軟性のあるシーリング材の上に硬い塗膜が塗られるため、塗膜の表面に割れが起こりやすくなります。

後打ち

【メリット】
塗装表面の割れが起こりにくく、キレイな状態をキープできます。

【デメリット】
紫外線や風雨が直接あたるので、シーリングの傷みは早くなります。

一般的にリフォームでは、「先打ち」がほとんどです。
ただし、新築時はボードを工場で塗装しており、後打ちになることが多いですね。

塗料メーカーでは「後打ち」を推奨する場合が多いのです。
これは、シーリング材と塗料との相性を懸念しての対応かと思われます。

シーリング材はシーリングメーカーから販売されており、塗料は塗料メーカーから販売されています。

そのため、メーカーとして責任が持てないと言うことだと思います。
経験や密着テストによって、適切な組合せを選択できる業者ならば、先打ちで問題はありません。


④黒い汚れの理由、ブリード現象と対策

ブリード現象と対策

新築やメンテナンス後、まだ日が浅いのにもかかわらず、シーリングが黒く汚れてくる場合があります。

これは「ブリード現象」と呼ばれる症状です。
機能的には問題ありませんが、外観上の見た目は悪くなります。

ブリード現象は、シーリング材に含まれる「可塑材(かそざい)」という成分が、表面に現れることが原因です。

その可塑剤が塗装面に移行してベタつき感がでてきます。それにより汚れを吸着し、目地が黒ずんでしまいます。

汚れた目地の上にそのまま再塗装しても、時間が経てば、また黒ずみが発生します。

対策としましては、

・塗装前に “可塑移行防止剤” を塗る。
・シーリング材の種類は、ノンブリードタイプ材を使用する。

などが再発防止に効果的です。

まとめ

今回は、シーリング(コーキング)の補修方法、メンテナンスの注意点について説明しましたが、いかがだったでしょうか。
地味な存在に思われるシーリングは、雨水などの侵入を防ぐ、地震などの揺れの動きを吸収して負担を緩和するなど、建物にとって非常に重要な役割を持っています。

そして外壁と同じく常に紫外線、雨、温度変化にさらされていて劣化していきます。だからこそ、定期的にメンテナンスをすることが必要で、

品質の良い補修を行ってもらうことをおすすめします。

また、どれだけ品質の良い塗料、良いシーリング材を使ったとしても、お互いの相性が悪ければ早々に剥離してしまい、良い塗料やシーリング材を使用する意味がなくなってしまいます。

スキルや経験、密着テストによって、適切な組合せを選択できる正しい知識を持った専門の業者に依頼することが大切ですね。業者選びの際は、劣化の症状とそれに合った正しい補修方法についてしっかりと説明してくれたか、信頼できる専門業者なのかを判断しましょう。それが外壁を長持ちさせる秘訣になりますから。

このコラムでお伝えした外壁に欠かせないシーリングについて、より理解が深まれば幸いです。

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